予算よさん案あん 早はやければ23日にち中ちゅうにも採決さいけつへ

アメリカ議会ぎかい上院じょういんは23日にち、ウクライナへの追加ついかの軍事ぐんじ支援しえんを盛り込もりこんだ緊急きんきゅう予算よさん案あんの審議しんぎを始はじめました。

予算よさん案あんは総額そうがく953億おくドル余あまり、日本にっぽん円えんにして14兆ちょう7000億おく円えん余あまりで、ウクライナへの支援しえんにおよそ608億おくドルを充あてるとともに、イスラエルにおよそ263億おくドル、台湾たいわんなどインド太平洋たいへいよう地域ちいきにおよそ81億おくドルを充あてています。

また、制裁せいさいによって凍結とうけつしたロシアの資産しさんをウクライナ支援しえんに活用かつようすることを可能かのうにする内容ないようも盛り込もりこまれています。

予算よさん案あんはこのあと早はやければ23日にち中ちゅうにも採決さいけつが行おこなわれる見通みとおしで、採決さいけつに向むけて審議しんぎを進すすめるための手続てつづきには与野党よやとう双方そうほうの多数たすうの議員ぎいんが賛成さんせいしたことから、メディアは予算よさん案あんが可決かけつされる可能かのう性せいが高たかいという見方みかたを伝つたえています。

予算よさん案あんはすでに議会ぎかい下院かいんで可決かけつされているため、上院じょういんでも可決かけつされればバイデン大統領だいとうりょうの署名しょめいを経へて成立せいりつします。

ウクライナの最大さいだいの軍事ぐんじ支援しえん国こくとなってきたアメリカは、与野党よやとうの対立たいりつから追加ついかの支援しえんのための予算よさんが承認しょうにんされない状態じょうたいが続つづき、軍事ぐんじ支援しえんが滞とどこおっています。

予算よさん案あんが可決かけつされればバイデン大統領だいとうりょうは防空ぼうくう能力のうりょくの強化きょうかなどの支援しえんを速すみやかに行おこなう考かんがえを示しめしていて、アメリカによる軍事ぐんじ支援しえんが再開さいかいされることになります。

アメリカ国防こくぼう総省そうしょう 報道ほうどう官かん「数すう日にち以内いないに支援しえん」

アメリカ国防こくぼう総省そうしょうのライダー報道ほうどう官かんは23日にち、記者きしゃ会見かいけんで、ウクライナ支援しえんの緊急きんきゅう予算よさんが成立せいりつした場合ばあいについて「一般いっぱん論ろんだが、数すう日にち以内いないに支援しえんを届とどけることができると期待きたいしている。われわれは支援しえんの重要じゅうよう性せいと緊急きんきゅう性せいを理解りかいしており、迅速じんそくに対応たいおうできるよう全力ぜんりょくを尽つくしている」と述のべ、軍事ぐんじ支援しえんを速すみやかに行おこなうとの考かんがえを強調きょうちょうしました。

軍事ぐんじ支援しえんの停滞ていたい ウクライナの現状げんじょうは？

アメリカで野党やとう・共和党きょうわとうの反対はんたいで追加ついか支援しえんが暗礁あんしょうに乗り上のりあげ、去年きょねん暮くれには資金しきんが枯渇こかつし、その影響えいきょうは戦況せんきょうにも反映はんえいされました。

ことし2月つきには弾薬だんやく不足ふそくや防空ぼうくうシステムの弱よわみをつかれ、ロシア軍ぐんの滑空かっくう爆弾ばくだんによる大だい規模きぼな攻撃こうげきなどで東部とうぶの拠点きょてん、アウディーイウカからの撤退てったいを余儀よぎなくされました。

その後そのごも、弾薬だんやく不足ふそくは続つづき、東部とうぶの前線ぜんせんでロシア軍ぐんと戦闘せんとうを続つづける将校しょうこうは3月つき、NHKの取材しゅざいに対にたいし砲弾ほうだんの数かずなどの戦力せんりょくについて「ウクライナとロシアの比率ひりつは1対たい6だ。ときには1対たい10、もっと差さが大おおきい時ときもある」と厳きびしい状況じょうきょうを証言しょうげんしました。

東部とうぶではロシア軍ぐんがこのところ集落しゅうらくを相次あいついで掌握しょうあくしたと発表はっぴょうしていて、ウクライナ軍ぐんがアメリカの支援しえんを待まつ間ま、今後こんご数すう週間しゅうかんでさらなる後退こうたいを強しいられる可能かのう性せいがあるという分析ぶんせきも出でています。

また、防空ぼうくうシステムが十分じゅうぶんでないことでロシア軍ぐんのミサイル攻撃こうげきに対応たいおうできず、キーウ州しゅうで最大さいだいの火力かりょく発電はつでん所しょが破壊はかいされるなど各地かくちでエネルギーインフラにも深刻しんこくな被害ひがいが出でています。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうはアメリカの議会ぎかい下院かいんが追加ついかの軍事ぐんじ支援しえんのための緊急きんきゅう予算よさん案あんを可決かけつしたあと、バイデン大統領だいとうりょうと電話でんわ会談かいだんを行おこない、今後こんごのアメリカの支援しえんでは防空ぼうくう能力のうりょく、近代きんだい的てきな大砲たいほう、長距離ちょうきょりの攻撃こうげき能力のうりょく、そして、支援しえんができるだけ早はやく届とどくことの4つの優先ゆうせん事項じこうがあると明あきらかにしました。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは21日にち、アメリカのNBCテレビのインタビューで「いまこそ情勢じょうせいを安定あんていさせ、主導しゅどう権けんを握にぎるチャンスがある」と述のべていて、アメリカの支援しえんが届とどけば形勢けいせいを変かえられるという認識にんしきを示しめしています。

イギリスも追加ついか支援しえんへ

イギリスのスナク首相しゅしょうは23日にち、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうと電話でんわ会談かいだんし、5億おくポンド、日本にっぽん円えんでおよそ960億おく円えんの追加ついかの軍事ぐんじ支援しえんを約束やくそくしました。

また、装甲車そうこうしゃなど400台だい以上いじょうの車両しゃりょうや巡航じゅんこうミサイル「ストームシャドー」を含ふくむ1600発はつ以上いじょうのミサイルなどを供与きょうよするとしていて、イギリスからの兵器へいきや軍事ぐんじ装備そうび品ひんの支援しえんとしては過去かこ最大さいだいだとしています。

これに対にたいしてゼレンスキー大統領だいとうりょうは、前線ぜんせんで戦たたかうウクライナ兵へいに大おおきな変化へんかをもたらすとして、感謝かんしゃのことばを述のべたということです。

またスナク首相しゅしょうはこの日ひ、ウクライナの隣国りんごくポーランドでNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうのストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうと記者きしゃ会見かいけんし、イギリスの国防こくぼう費ひを2030年ねんまでにGDP＝国内こくない総そう生産せいさんの2.5％に引き上ひきあげることを明あきらかにしました。

スナク首相しゅしょうは「世界せかいは冷戦れいせん終結しゅうけつ以降いこう、今いまが最もっとも危険きけんな状態じょうたいだ。現状げんじょうに甘あまんじてはならない」と述のべ、防衛ぼうえい力りょくを強化きょうかすることの重要じゅうよう性せいを強調きょうちょうしました。